極限値を求める問題の解き方です。極限値の求め方は決まっている訳ではありません。
数学Ⅱの範囲にかぎった整関数と有理関数の問題ですが、簡単なのでいくつか例題を解いておきましょう。
不定形の極限は数学Ⅱではメンドクサイ方法をとりますが、数学Ⅲでは楽な方法もありますので使える人は使いましょう。
指数対数同様数学Ⅲが控えた単元は便利な定理がたくさんありますよ。

極限を求め方

極限などの用語は確認済みなので問題に入ります。
⇒ 極限値とは(数学Ⅱ:収束と無限大への発散と不定形について)

例題1

次の極限値を求めよ。

(1) \(\displaystyle \lim_{x \to \,1} \,(x+2)\)

(2) \(\displaystyle \lim_{h \to \,0} \,(h^2+3h+3)\)

極限値とは、

 \( \displaystyle \color{red}{\lim_{x \to a} \,f(x)=A}\)

のように表しますが、
 \(x\) を限りなく \( a\) に近づけたら、
 \( f(x)\) が \(A\) に近づくときの \( A\) のことです。

(1)
極限値は関数そのものの値ではありませんが、
 \(\lim\) を使って表すときはそのまま代入して出てきた値でかまいません。

 \( \displaystyle \lim_{x \to \,\color{red}{1}} \,(x+2)=\color{red}{1}+2=3\)

(2)
これも \(h\) に0を代入するのと同じです。

 \( \displaystyle \lim_{h \to \color{red}{0}}\,(h^2+3h+3)=\color{red}{0}+\color{red}{0}+3=3\)

感覚的には分かりますよね。
それで良いんですよ。

次は有理関数(分数)の極限値です。

分数の極限は分母から

例題2

次の極限値を求めよ。

(1) \( \displaystyle \lim_{x \to \,2} \,\frac{x^2+5x+6}{x^2+3x+2}\)

(2) \( \displaystyle \lim_{x \to \,-2} \,\frac{x^2+5x+6}{x^2+3x+2}\)

(3) \( \displaystyle \lim_{h \to \,0} \,\frac{1}{h}\left\{\frac{1}{(a+h)^2}-\frac{1}{a^2}\right\}\)

(1)\( \displaystyle \lim_{x \to \,2} \,\frac{x^2+5x+6}{x^2+3x+2}\)

 \(x\rightarrow 2\) とすると、
分母は

 \( \displaystyle \lim_{x \to \,2} (x^2+3x+2)\\ \\
=2^2+3\cdot 2+2=4+6+2=12\)

分子は

 \( \displaystyle \lim_{x \to \,2} (x^2+5x+6)\\ \\
=2^2+5\cdot 2+6=4+10+6=20\)

よって

 \( \displaystyle \lim_{x \to \,2} \,\displaystyle \frac{x^2+5x+6}{x^2+3x+2}\\ \\
=\displaystyle \frac{20}{12}=\displaystyle \frac{5}{3}\)

分母、分子ともに0以外に収束する場合は簡単です。

何故分母から計算しているかというと、
分母が0になるときがやっかいだからです。

不定形の極限の求め方

(2)\( \displaystyle \lim_{x \to \,-2} \,\frac{x^2+5x+6}{x^2+3x+2}\)

 \( x \rightarrow -2\) とすると

分母は

 \( \displaystyle \lim_{x \to \,-2} \,(x^2+3x+2)\\ \\
=(-2)^2+3\cdot (-2)+2\\ \\
=4-6+2=0\)

これで分子も0にならなければ極限は無限大ですが、、、。

分子は

 \( \displaystyle \lim_{x \to \,-2} \,(x^2+5x+6)\\ \\
=(-2)^2+5\cdot (-2)+6\\ \\
=4-10+6=0\)

となりこれは「不定形」です。

不定形とは
⇒ 極限値とは(数学Ⅱ:収束と無限大への発散と不定形について)

不定形のときは、
分母、分子の変形で必ず約分できるか極限がでる
ようになっています。

数学Ⅱで習う方法は約分です。

 \( x\rightarrow -2\) と \( x=-2\) とは違います。
 \( x\neq -2\) なので \( x+2\neq 0\) として変形すると

 \( \displaystyle \frac{x^2+5x+6}{x^2+3x+2}=\displaystyle \frac{(x+2)(x+3)}{(x+2)(x+1)}=\displaystyle \frac{x+3}{x+1}\)

よって

 \( \displaystyle \lim_{x \to \,-2}\,\displaystyle \frac{x^2+5x+6}{x^2+3x+2}\\ \\
\displaystyle=\lim_{x \to \,-2}\, \frac{x+3}{x+1}=\displaystyle \frac{1}{-1}=-1\)

不定形の極限を求めるときに使える便利な方法

このページを読んでいる人は意欲的な人だと思えるので、数学Ⅲで使う便利な定理を紹介しておきます。

不定形のときだけですよ。
不定形のときは分母と分子を微分して極限を取ってみてください。

分子を微分すると

 \( (x^2+5x+6)’=2x+5\)

分母を微分すると

 \( (x^2+3x+2)’=2x+3\)

この極限を取ると答がでるんです。

 \( \displaystyle \lim_{x \to \,-2}\,\displaystyle \frac{x^2+5x+6}{x^2+3x+2}\\ \\
\displaystyle=\lim_{x \to \,-2}\, \frac{2x+5}{2x+3}\\ \\
=\displaystyle \frac{2\cdot(-2)+5}{2\cdot (-2)+3}=\displaystyle \frac{-4+5}{-4+3}=-1\)

理由が知りたいですか?
数学Ⅲを選択してください。
運が良ければ習得できますので今は検算用に使っておいてください。

こういうのは裏技とはいいません
真っ当な定理、公式です。

(3)\( \displaystyle \lim_{h \to \,0} \,\frac{1}{h}\left\{\frac{1}{(a+h)^2}-\frac{1}{a^2}\right\}\)

これは明らかに分母が0になる因数があります。
分母の \(h\) を消さないと不定形であろうとなかろうと極限値どころではありません。

さすがに展開はしないでしょう。
カッコの中を通分して見ることから始めましょう。

 \( \displaystyle \frac{1}{(a+h)^2}-\displaystyle \frac{1}{a^2}\\ \\
=\displaystyle \frac{a^2-(a+h)^2}{(a+h)^2a^2}\\ \\
=\displaystyle \frac{-2ah-h^2}{(a+h)^2a^2}\)

分子に \(h\) は共通項としてあるので消えそうです。

 \( \displaystyle \lim_{h \to \,0} \,\displaystyle \frac{1}{h}\left\{\displaystyle \frac{1}{(a+h)^2}-\displaystyle \frac{1}{a^2}\right\}\\ \\ \displaystyle =\lim_{h \to \,0} \,\frac{1}{h}\cdot \displaystyle \frac{-2ah-h^2}{(a+h)^2a^2}\\ \\ \displaystyle=\lim_{h \to \,0} \, \frac{-2a-h}{(a+h)^2a^2}\\ \\ =\displaystyle \frac{-2a}{a^4}=-\displaystyle \frac{2}{a^3}\)

随分ややこしそうには見える問題ですが、
 「分母が0になる因数を消す
という方針で進めれば、
通分するだけで約分できて \( h\) を含む項はすべて消えてくれるので難しくはありませんよ。

難しくはないでしょう?
数学Ⅲになるともう少し技巧的な変形も必要になりますけどね。

用語さえ理解していれば、何とかなります。

次は良くでる極限の中に含まれる係数決定問題です。

⇒ 極限の式の中にある係数を決定する問題の解き方

数学Ⅱではここまでできれば極限は十分でしょう。