漸化式にnの1次関数が含まれるときの解き方と別解(例題5-②)

漸化式の数列以外の部分にnの1次関数が含まれる場合の解き方です。
例題5で説明したように指数関数が含まれる場合と同じで良いのですが、ちょっとだけ特殊な解き方もあるので参考までに載せることにしました。
一般的に使える方法ですがここでは1次関数の場合に限定して説明します。

例題5の途中で出てきた漸化式なのですが、
良く出てくる形でもあるので例題に追加しておきました。

解き方も今まで通り普通に階差をとる方法で良いです。
ただ、ちょっと「特殊な」方法もあるので取り上げて見ました。

例題5-②

 a_1=2\hspace{7pt},\hspace{7pt}a_{n+1}=2a_n+2n-2 ・・・①
で表される数列 \{a_n\} の一般項を求めよ。

例題5で出てきた漸化式①の解き方は解説の解き方で十分です。
 a_{n+1}=2a_n+2n-2
 a_n=2a_{n-1}+2(n-1)-2
これらを辺ごとに引いて
 a_{n+1}-a_n=2(a_n-a_{n-1})+2

ここで b_n=a_{n+1}-a_n とおいて
 a_{n+1}-a_n=2(a_n-a_{n-1})+2\\ \\  \hspace{5pt} \Leftrightarrow \hspace{5pt} b_n=2b_{n-1}+2\\ \\  \hspace{5pt} \Leftrightarrow \hspace{5pt} b_n+2=2(b_{n-1}+2)
これを解いて
 b_n=2^{n+1}-2
と求めました。

詳しくは
⇒ 例題5の解説
を見ておいてください。

しかし、別の方法で説明してある参考書もあると思います。
え?これだった?
それなら良いのですが、解法を考えたとき2つピン!ときたので説明しておいた方が良いかな、
と感じたので載せておきます。

この解法だけでも一般的に詳しく説明すると相等の量になります。
なので「1次関数に限って」の説明をしておきますね。

実は他の問題でもちらほら出てはいるんですけど、まとめると難しいんです。
まとめるのが難しいのではなくて、理解する方が難しい。

この漸化式シリーズの目的はパターンの見分け方ですから御理解下さい。

一般的な漸化式
 a_{n+1}=pa_n+q(n)
において、q(n) 部分が定数のとき
 b_n=2b_{n-1}+2
のような場合においては特性方程式の解として
 \alpha =2\alpha +2
から \alpha=-2 と求めて漸化式を変形しました。

つまり、数列以外の部分が定数のときは
 a_{n+1}-\alpha=p(a_n-\alpha)
のような変形ができました。

この変形は定数だけでなく n の関数でもできる場合が多いのです。

数列以外の部分が1次式の場合、\alpha  に相当する部分が1次式になります。
 a_{n+1}-\{\underline{c(n+1)+d}\}=p\{a_n-(\underline{cn+d})\}

ただし、注意しなくてはならないのは、
ここに注目しないと参考書の一般解法は理解できません。
 a_n に対しては cn+d で良いのですが、
 a_{n+1} に対しては c(n+1)+d とすることです。

つまり、a_{n+1}=pa_n+q(n) の q(n) 部分が一次式のときは
 a_{n+1}-\{c(n+1)d\}=p\{a_n-(cn+d)\}
と強引に変形してやればいいのです。

実際にやってみましょう。

 a_{n+1}=2a_n+2n-2 ・・・①
が変形したい漸化式です。
 a_{n+1}=pa_n+q(n) の q(n) 部分が一次式なので
 a_{n+1}-\{\,\underline{c(n+1)+d\,}\}=2\{a_n-(\underline{\,cn+d\,})\} ・・・②
変形できると決めつけてこれを展開します。

 a_{n+1}- (cn+c+d)=2a_n-2(cn+d)\\ \\ \hspace{5pt} \Leftrightarrow \hspace{5pt} a_{n+1}=2a_n-2(cn+d)+(cn+c+d)\\ \\ \hspace{5pt} \Leftrightarrow \hspace{5pt} a_{n+1}=2a_n-2cn-2d+cn+c+d\\ \\ \hspace{5pt} \Leftrightarrow \hspace{5pt} a_{n+1}=2a_n-cn+c-d

ここで①の1次式部分と係数比較すると
 -c=2\hspace{7pt},\hspace{7pt}c-d=-2
これらを解くと、
 c=-2\hspace{7pt},\hspace{7pt}d=0

よって漸化式①は
 a_{n+1}-\{-2(n+1)\}=2\{a_n-(-2n)\}\\ \\  \hspace{5pt} \Leftrightarrow \hspace{5pt} a_{n+1}+2(n+1)=2(a_n+2n)
と変形でき、数列 \{a_n+2n\} は等比数列なので、
 a_n+2n=(a_1+2)\cdot 2^{n-1}=(2+2)\cdot 2^{n-1}=2^{n+1}
  \therefore \hspace{7pt} a_n=2^{n+1}-2n

このようにダイレクトに素早く求めることもできるのです。

②の下線部分の解となるものを特殊解というのですが
この特殊解を x_n とすると
 a_{n+1}=pa_n+q(n)\\ \\  \hspace{5pt} \Leftrightarrow \hspace{5pt} a_{n+1}-x_{n+1}=p(a_n-x_n)
と変形できるのは1次式だけではありません。
ただ、ここでは1次式だけの処理のしかたを説明しておきました。
よく見る形ですしね。

係数比較は定数のときもありましたよね。
覚えていないかもしれないけど、強引に係数比較か?特性方程式か?って。

結局は同じなのですが、
 q(n) が1次式のときはどうすれば良いかというのをちょっとやっておきます。

 a_{n+1}=pa_n+q (qは定数)
のとき a_{n+1}\hspace{7pt},\hspace{7pt}a_n の両方に \alpha を代入したように、
 a_{n+1}=pa_n+q(n) の q(n) が1次のときは
 \underline{a_n} に \underline{cn+d} を
 \underline{\underline{a_{n+1}}} に \underline{\underline{c(n+1)+d}} を
代入して
 n の恒等式として係数 c\,,\,d を決めることができます。

例えば、
 a_1=1\hspace{7pt},\hspace{7pt}a_{n+1}=3a_n+4n
を満たす数列 \{a_n\} を求めるとします。

 \underline{\underline{a_{n+1}}}=3\underline{a_n}+4n
なので
 \underline{\underline{c(n+1)+d}}=3\underline{(cn+d)}+4n\\ \\  \hspace{5pt} \Leftrightarrow \hspace{5pt} cn+c+d=3cn+3d+4n\\ \\  \hspace{5pt} \Leftrightarrow \hspace{5pt} cn+c+d=(3c+4)n+3d\\ \\  \hspace{5pt} \Leftrightarrow \hspace{5pt} c=3c+4\hspace{7pt},\hspace{7pt}c+d=3d\\ \\  \hspace{5pt} \Leftrightarrow \hspace{5pt} c=-2\hspace{7pt},\hspace{7pt}d=-1

よって漸化式
 a_{n+1}=3a_n+4n
は変形すると
 a_{n+1}-\{-2(n+1)-1\}=3\{a_n-(-2n-1)\}\\ \\  \hspace{5pt} \Leftrightarrow \hspace{5pt} a_{n+1}+\{2(n+1)+1\}=3\{a_n+(2n+1)\}

これは数列 \{a_n+(2n+1)\} が等比数列を意味しているので
初項が (a_1+2\cdot 1+1)=1+2+1=4 であることから
 a_n+(2n+1)=4\cdot 3^{n-1}
 \therefore \hspace{7pt}a_n=4\cdot 3^{n-1}-2n-1
と簡単に求めることができるようになるのです。

使えなくて良いです。
階差タイプの解き方で良いです。
でも、
解き方は1つしかない、この方法じゃないとダメ、
なんて考えは捨てて下さいね。

この別解と

⇒ 階差を取るタイプの解法例題5の解説

比較して見ると良いですね。

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