漸化式が数列の積の項を持っているタイプの解き方です。anなどの掛け算の混じった形を持つものです。
このタイプは最初の処理のしかただけがポイントで、後の一般項を求めにいく計算処理は特殊ではありません。
最初の処理がポイントなのは漸化式全体で言えることなので、やってみるか、あきらめるかで大きな差となります。

漸化式の積とは?

漸化式の積って何?
と分かりづらい表現をしていますので例題から見ておきましょう。

例題6

数列 \( \{a_n\}\) が次の関係を満たしている。

 \( (2n-1)a_{n-1}a_n=na_{n-1}-(n-1)a_n\hspace{7pt}(n=2\,,\,3\,,\,\cdots)\)

この数列 \( \{a_n\}\) を \( a_1\) と \( n\) で表せ。
ただし、\( a_n > 0\) とする。

 \(a_1\) が決まっていませんが気にしなくて大丈夫です。
最後に一般項の中に残るというだけで、いつも通り進めましょう。
計算がややこしくならない分、楽かもしれませんよ。笑

 \( (2n-1)a_{n-1}a_n=na_{n-1}-(n-1)a_n\hspace{7pt}(n=2\,,\,3\,,\,\cdots)\)

を見ると \( (n=2\,,\,3\,,\,\cdots)\) なので
階差をとっても場合分け必要なさそうですね。

問題は \( (2n-1)a_{n-1}a_n\) です。

数列 \( a_{n-1}\) と \( a_n\) が積になっているタイプはあまり見ません。
だったら見慣れた形に変えてしまえば良いんですよね。

割り算で漸化式の積を変形

 \( (2n-1)a_{n-1}a_n=na_{n-1}-(n-1)a_n\)

この両辺を \( a_{n-1}a_n\) で割ってしまいましょう。

割るのなら \( a_{n-1}a_n\neq 0\) ということをいわなくて良いのか?
 \( a_n> 0\) なので大丈夫です。

 \( (2n-1)a_{n-1}a_n=na_{n-1}-(n-1)a_n\\ \\
\hspace{5pt} \Leftrightarrow \hspace{5pt} \displaystyle \frac{(2n-1)\cdot (a_{n-1}a_n)}{(a_{n-1}a_n)}=\displaystyle \frac{n\cdot (a_{n-1})}{(a_{n-1})\cdot a_n}-\displaystyle \frac{(n-1)\cdot (a_n)}{a_{n-1}\cdot (a_n)}\\ \\
\hspace{5pt} \Leftrightarrow \hspace{5pt} 2n-1=\displaystyle \frac{n}{a_n}-\displaystyle \frac{n-1}{a_{n-1}}\)

このままじゃ見にくいので左辺と右辺を入れかえてみると

 \( \displaystyle \frac{n}{a_n}-\displaystyle \frac{n-1}{a_{n-1}}=2n-1\)

今まで見たのと分母と分子が逆なだけで、ある種の階差数列となっています。

このまま進めたいところですが置きかえましょう。

 \(\displaystyle \frac{n}{a_n}=b_n\) とおくと \(\displaystyle \frac{n-1}{a_{n-1}}=b_{n-1}\)
なので

 \(\displaystyle \frac{n}{a_n}-\frac{n-1}{a_{n-1}}=2n-1\\ \\
\Leftrightarrow   b_n-b_{n-1}=2n-1  ・・・①\)

階差数列の利用

分かりやすくするために置きかえしておきますが、階差数列の復習をしておきます。
階差数列から一般項を求める公式は

 \( b_n=a_{n+1}-a_n\) ・・・②

とするとき

 \( \displaystyle a_n=a_1+\sum_{k=1}^{n-1}b_k (\color{red}{n≧ 2})\)

なので注意してください。

だから数列 \( \{b_n\}\) の階差は

 \( c_n=b_n-b_{n-1}\)

ではなくて、

 \( c_n=b_{n+1}-b_n\)

とおくと \(b_n-b_{n-1}=2n-1  ・・・①\) より
 
 \( c_n=2(n+1)-1=2n+1\)

です。

階差数列を利用するときは \( n≧ 2\) として場合分けですが、
問題の漸化式は \( n=2\,,\,3\,,\,\cdots\) となっているのでしなくても良いですが、
やりたければ確認しておくと良いです。

 \( \displaystyle b_n=b_1+\sum_{k=1}^{n-1}b_k\\ \\
\displaystyle =b_1+\sum_{k=1}^{n-1}(2k+1)\\ \\
\displaystyle =b_1+2\sum_{k=1}^{n-1}k+\sum_{k=1}^{n-1}1\\ \\
=b_1+2\cdot \displaystyle \frac{1}{2}n(n-1)+(n-1)\\ \\
=b_1+n(n-1)+(n-1)\\ \\
=b_1+n^2-1\)

数列 \( \{b_n\}\) の初項を求めておきます。

 \( b_1=\displaystyle \frac{1}{a_1}\)

ここで \( a_1\) は決まっていませんのでこのままです。

よって

 \( a_n=\displaystyle \frac{n}{b_n}=\displaystyle \frac{n}{b_1+n^2-1}\\ \\
=\displaystyle \frac{n}{\displaystyle \frac{1}{a_1}+n^2-1}\\ \\
=\displaystyle \frac{n\cdot a_1}{\left(\displaystyle \frac{1}{a_1}+n^2-1\right)\cdot a_1}\\ \\
=\displaystyle \frac{a_1n}{1+a_1(n^2-1)}\)

となります。

上の途中で
 \( b_n=a_{n+1}-a_n\)  ・・・②
としましたが、

 \(b_n\hspace{5pt}-\hspace{5pt}\color{red}{b_{n-1}}=2\cdot n-1\\ \\
\color{red}{b_{n-1}}-\color{blue}{b_{n-2}}=2\cdot (n-1)-1\\ \\
\color{blue}{b_{n-2}}-b_{n-3}=2\cdot (n-2)-1\\ \\
 \cdots\\ \\
b_{n-k}-b_{n-k-1}=2(n-k)-1\\ \\
 \cdots\\ \\
b_3\hspace{5pt}-\hspace{5pt}\color{green}{b_2}\hspace{7pt}=\hspace{7pt}2\cdot 3-1\\ \\
\color{green}{b_2}\hspace{5pt}-\hspace{5pt}b_1\hspace{7pt}=\hspace{7pt}2\cdot 2-1\)

これらを辺ごとにすべて加えると
 
 \(b_n-b_1=2(2+3+\cdots +n)-(n-1)\\ \\
\Leftrightarrow  b_n=b_1+2(\underline{\color{red}{2+3+\cdots +n}})-(n-1)\)

これから自然数の和を利用出来るように変形して

 \( b_n=b_1+2\{\underline{\color{red}{(1+2+3+\cdots +n)-1}}\}-(n-1)\\ \\
\displaystyle =b_1+2\left\{\underline{\color{red}{\frac{1}{2}n(n+1)-1}}\right\}-(n-1)\\ \\
 =b_1+n(n+1)-2-(n-1)\\ \\
 =b_1+n^2+n-2-n+1\\ \\
  ∴ b_n=b_1+n^2-1\)

と求めることもできます。

この和を求める部分の下線部 \( \underline{\hspace{30pt}}\) があいまいな人は、
⇒ シグマの計算
を参考にして下さい。

階差数列をつくって一般項を求める分数タイプはもっと基本的なものがありました。

⇒ 分数型から階差数列タイプに変わる漸化式の解き方(例題2)

変形さえうまくできれば、結局は同じ、というのも今までと同じですよ。