分数の漸化式で逆数をとっても上手くいかないパターン(例題7)

漸化式が分数になっていて、逆数をとってもうまく階差数列に持って行けないタイプの問題解説です。
これは簡単には解けませんが、誘導がつくのが普通なので心配しなくて良いです。
ここでは誘導なしでも変形できることが目的なので一般的な解法を示しますが、数字は具体的にしておきます。

分数タイプで逆数を取ると階差数列になるものがありました。
しかし、分数のタイプでも逆数をとっても上手くいかないものもあるのです。

例題7

数列 \{a_n\} が次の関係を満たしている。
 a_1=1\hspace{7pt},\hspace{7pt}a_{n+1}=\dfrac{a_n+2}{a_n}
この数列 \{a_n\} の一般項を求めよ。

この問題は逆数をとっても上手くいきません。
ちなみにそのまま変形しようとしても
 a_{n+1}=\dfrac{a_n+2}{a_n}\\ \\   \hspace{5pt} \Leftrightarrow \hspace{5pt} a_{n+1}=1+\dfrac{2}{a_n}
ここからどう変形するか難しいです。

ただ、この漸化式は普通は誘導付きで出題されます。

例えば、

例題7-⓪-2

数列 \{a_n\} が次の関係を満たしている。
 a_1=1\hspace{7pt},\hspace{7pt}a_{n+1}=\dfrac{a_n+2}{a_n}
(1)
 b_n=\dfrac{a_n-2}{a_n+1}
とおくとき、b_n と b_{n+1} の関係式を表せ。
(2)数列 \{a_n\} の一般項 a_n を求めよ。

この誘導無しが例題7になるのですが、
 b_n=\dfrac{a_n-2}{a_n+1}
を見つける方法を今から示します。

やり方は簡単ですが2次方程式が出てきますので、
解の数によって場合を分けて説明します。

 a_{n+1}=\dfrac{a_n+2}{a_n}
において a_{n+1}=a_n=t とおきます。
 t=\dfrac{t+2}{t}\\ \\  \hspace{5pt} \Leftrightarrow \hspace{5pt} t^2=t+2\\ \\  \hspace{5pt} \Leftrightarrow \hspace{5pt} t^2-t-2=0\\ \\  \hspace{5pt} \Leftrightarrow \hspace{5pt} (t+1)(t-2)=0\\ \\  \hspace{5pt} \Leftrightarrow \hspace{5pt} t=-1\,,\,2

特性方程式を解いて \alpha を求めたときと似てるでしょう?

この t=-1\,,\,2  を用いて、
 b_n=\dfrac{a_n-(-1)}{a_n-2}=\dfrac{a_n+1}{a_n-2}
または
 b_n=\dfrac{a_n-2}{a_n-(-1)}=\dfrac{a_n-2}{a_n+1}
とおきます。

これが誘導になる部分です。
どちらが分母でどちらが分子でも結果としての数列 \{a_n\} は変わりません。

この誘導した形を利用して b_n の漸化式をつくります。
 b_n と b_{n+1} の関係式をつくりたいのです。

  b_n=\dfrac{a_n+1}{a_n-2}
とおくと
 b_{n+1}=\dfrac{a_{n+1}+1}{a_{n+1}-2}
これにをもとの漸化式
 (a_{n+1})=\dfrac{a_n+2}{a_n}
を代入します。

 b_{n+1}=\dfrac{(a_{n+1})+1}{(a_{n+1})-2}\\ \\  =\dfrac{\,\left(\dfrac{a_n+2}{a_n}\right)+1\,}{\,\left(\dfrac{a_n+2}{a_n}\right)-2\,}\\ \\  =\dfrac{a_n+2+a_n}{a_n+2-2a_n}\\ \\  =\dfrac{2a_n+2}{-a_n+2}\\ \\  =\dfrac{2(a_n+1)}{-(a_n-2)}\\ \\  =-2b_n

後半の変形が分かりづらいかもしれないけど、
 b_n=\dfrac{a_n+1}{a_n-2}
の形をつくりたいので何となく分かるでしょう?
強引に変形してもできるようになっていますから自分でもやって見てください。

 b_{n+1}=-2b_n
を解きましょう。等比数列です。

 b_n=b_1\cdot (-2)^{n-1}\\ \\  =\dfrac{a_1+1}{a_1-2}\cdot (-2)^{n-1}\\ \\  =\dfrac{1+1}{1-2}\cdot (-2)^{n-1}\\ \\  =-2\cdot (-2)^{n-1}\\ \\  =(-2)^n

これから数列 \{a_n\} の一般項 a_n を求めましょう。

 b_n=\dfrac{a_n+1}{a_n-2}
なので
 (-2)^n=\dfrac{a_n+1}{a_n-2}\\ \\  \hspace{5pt} \Leftrightarrow \hspace{5pt}  (-2)^n(a_n-2)=(a_n+1)\\ \\  \hspace{5pt} \Leftrightarrow \hspace{5pt} (-2)^n a_n-2 (-2)^n=a_n+1\\ \\  \hspace{5pt} \Leftrightarrow \hspace{5pt} (-2)^n a_n-a_n= 1 + 2 (-2)^n\\ \\  \hspace{5pt} \Leftrightarrow \hspace{5pt} \{(-2)^n-1\}a_n=1-(-2)\cdot (-2)^n\\ \\  \hspace{5pt} \Leftrightarrow \hspace{5pt} \{ (-2)^n-1 \}a_n=1-(-2)^{n+1}
  \therefore \hspace{7pt} \underline{\underline{a_n=\dfrac{1-(-2)^{n+1}}{(-2)^n-1}}}

この問題では a_n を求めることより b_n の関係式をつくることが目標です。
なのでちょっと練習してみましょう。

例題7-②

数列 \{a_n\} が
 a_1=4\hspace{7pt},\hspace{7pt} a_{n+1}=\dfrac{4a_n+3}{a_n+2}
を満たすとき数列 \{a_n\} の一般項 a_n を求めよ。

誘導までをやっておきますので a_n は自分で計算してみてください。

 a_n=a_{n+1}=t として
 t=\dfrac{4t+3}{t+2}\\ \\  \hspace{5pt} \Leftrightarrow \hspace{5pt} t(t+2)=4t+3\\ \\  \hspace{5pt} \Leftrightarrow \hspace{5pt} t^2+2t-4t-3=0\\ \\  \hspace{5pt} \Leftrightarrow \hspace{5pt} t^2-2t-3=0\\ \\  \hspace{5pt} \Leftrightarrow \hspace{5pt} (t-3)(t+1)=0\\ \\  \hspace{5pt} \Leftrightarrow \hspace{5pt} t=3\,,\,-1

この t から
 \underline{b_n=\dfrac{a_n-3}{a_n+1}}
とおくと
 b_{n+1}=\dfrac{a_{n+1}-3}{a_{n+1}+1}\\ \\  =\dfrac{\dfrac{4a_n+3}{a_n+2}-3}{\dfrac{4a_n+3}{a_n+2}+1}\\ \\  =\dfrac{4a_n+3-3(a_n+2)}{4a_n+3+a_n+2}\\ \\  =\dfrac{a_n-3}{5a_n+5}\\ \\  =\dfrac{a_n-3}{5(a_n+1)}=\dfrac{1}{5}\,b_n
なので等比数列として b_n が求まります。

 t=3\,,\,-1
から
 \underline{b_n=\dfrac{a_n+1}{a_n-3}}
と分母分子を入れかえても公比は変わりますが、同じように
 b_{n+1}=5b_n
と求めることはできますよ。

これが誘導されている形の出所です。
 a_n=\dfrac{3\cdot 5^n-1}{5^n-1}
となるか確かめて見てください。

ここで1つ追加しておきます。
 t の方程式の解が重解のときです。

 t が重解で \alpha  だとすると
 b_n=\dfrac{1}{a_n-\alpha}
とおけば誘導される形になります。

いずれにしても普通の大学入試では誘導されないことはないと思うので
気にする必要はありません。

このタイプが誘導無しでできるようになるくらいなら

⇒ 3項間の漸化式(例題8)

ができるようになる方が先ですね。

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