3項間の漸化式の解き方(基本形例題8解説)

漸化式のタイプの1つ、3項間漸化式とよばれるものの代表的な解き方をいくつか紹介します。
2項間の場合もそうですが、3項間漸化式でも解き方は1つではありません。
漸化式にタイプがあるというのではなく、1つの漸化式でもいくつか解法はあるということですよ。

3項間漸化式の解き方はいくつかあります。

代表的なものは、
 a_{n+2}=pa_{n+1}+qa_n
において
 t^2=pt+q
の2つの解を \alpha \hspace{7pt},\hspace{7pt}\beta とすると、
 \begin{cases}  \hspace{7pt} a_{n+2}-\alpha a_{n+1}=\beta(a_{n+1}-\alpha a_n) \\  \hspace{7pt} a_{n+2}-\beta a_{n+1}=\alpha (a_{n+1}-\beta a_n) \\  \end{cases}
とするものです。

これは使えた方が良いので後で具体的に説明します。

しかし、
今まで例題を通して2項間漸化式の解き方をいろいろとみてきたはずです。
え?見てない?
そうですか。
では、残念ですが3項間漸化式を別物として解法を見ておくと良いでしょう。

「いや、2項間の扱いはいろいろとみて慣れてきた。」、というのであれば、
3項間漸化式は怖くありません。

センター試験で3項間漸化式がでた?
確かに3項間で成り立つ漸化式でましたね。
でも、あれって3項間の解き方を知らなくても解けたでしょう?
さすがの誘導でしたよね。
それくらい解法は1つではないということです。

例題8

数列 \{a_n\} は a_1=1\hspace{7pt},\hspace{7pt}a_2=3 で次の関係を満たしている。
 a_{n+2}=3a_{n+1}-2{a_n}\hspace{7pt}(n=1\,,\,2\,,\,\cdots\,)
この数列 \{a_n\} の一般項を求めよ。

 2項間漸化式で特性方程式って解いたでしょう?
あれと同じように3項間では
 a_{n+2}=t^2\hspace{7pt},\hspace{7pt}a_{n+1}=t\hspace{7pt},\hspace{7pt}a_n=1
とおいて解を求めます。

 a_{n+2}=3a_{n+1}-2{a_n}
では t^2=3t-2 となります。

これを解くと、
 t^2=3t-2\\ \\  \hspace{5pt} \Leftrightarrow \hspace{5pt} t^2-3t+2=0\\ \\  \hspace{5pt} \Leftrightarrow \hspace{5pt} (t-1)(t-2)=0\\ \\  \hspace{5pt} \Leftrightarrow \hspace{5pt} t=1\hspace{7pt},\hspace{7pt}2

これを利用しなくても変形できれば良いんですよ。
 a_{n+2}=pa_{n+1}+qa_n\\ \\  \hspace{5pt} \Leftrightarrow \hspace{5pt} a_{n+2}-\alpha a_{n+1}=\beta (a_{n+1}-\alpha a_n)
となる \alpha\hspace{7pt},\hspace{7pt}\beta  を係数比較でも求めれば良いのです。
 a_{n+2}=3a_{n+1}-2a_n

 a_{n+2}=(\alpha+\beta)a_{n+1}-\alpha\beta a_n
の係数を比較して、
 \begin{cases}  \hspace{7pt}  \alpha+\beta=3\\ \\  \hspace{7pt}  \alpha\beta=2\\  \end{cases}
結局は t^2-3t+2=0 の解を求めることと同じですけど、
2項間のときと同じで「~~と変形できるので」で良いです。

 t=1\hspace{7pt},\hspace{7pt}2 を参考に漸化式を変形すると、
 a_{n+2}-1a_{n+1}=2(a_{n+1}-1a_n) ・・・①
または
 a_{n+2}-2a_{n+1}=1(a_{n+1}-2a_n) ・・・②
と変形できます。

ここまでくれば後の処理方法はいろいろあります。

①の数列 \{a_{n+1}-a_n\} は等比数列です。
 a_{n+1}-a_n=(a_2-a_1)\cdot 2^{n-1}\\ \\  =(3-1)\cdot 2^{n-1}=2^n
これは階差数列になっているので n\geqq 2 において
 \displaystyle a_n=a_1+\sum_{k=1}^{n-1}2\cdot 2^{k-1}\\ \\  =1+\dfrac{2(2^{n-1}-1)}{2-1}\\ \\  =1+2^n-2=2^n-1
これは n=1 のときも成り立つので
 \underline{a_n=2^n-1}\hspace{7pt}(n\geqq 1)

また②は定数数列と見ることができるので
 a_{n+2}-2a_{n+1}=a_{n+1}-2a_n=\cdots=(a_2-2a_1)=3-2\cdot 1=1
つまり
 a_{n+1}-2a_n=1

これって見たことありませんか?
⇒ 2項間漸化式から一般項を求める問題の解き方の基本パターン
 a_{n+1} =2a_n+1\\ \\  \hspace{5pt} \Leftrightarrow \hspace{5pt} a_{n+1}+1=2(a_n+1)
と変形するか
 \dfrac{a_{n+1}}{2^{n+1}}-\dfrac{2a_n}{2^{n+1}}=\dfrac{1}{2^{n+1}}\\ \\  \hspace{5pt} \Leftrightarrow \hspace{5pt} \dfrac{a_{n+1}}{2^{n+1}}-\dfrac{a_n}{2^n}=\dfrac{1}{2^{n+1}}
⇒ 定数部分が指数関数になっている漸化式のタイプ(例題3の別解)
こちらの解法も使えますよね。
⇒ 階差数列タイプに漸化式を変形する解き方(例題1の解説)

変形すれば等比数列や階差数列として解ける単なる2項間漸化式です。

当然どちらも
 \underline{a_n=2^n-1}\hspace{7pt}(n\geqq 1)

しかし、普通なら①②を連立させます。

 a_{n+2}-a_{n+1}=2(a_{n+1}-a_n) ・・・①
 a_{n+2}-2a_{n+1}=(a_{n+1}-2a_n) ・・・②
①を公比2の等比数列、
②を公比1の定数数列とみて、
\begin{cases}  \hspace{7pt}  a_{n+2}-1a_{n+1}=2(a_{n+1}-1a_n)\\ \\   \hspace{7pt}  a_{n+2}-2a_{n+1}=1(a_{n+1}-2a_n)\\  \end{cases}\\ \\  \hspace{5pt} \Leftrightarrow \hspace{5pt}\\ \\  \begin{cases}  \hspace{7pt}  a_{n+1}-a_{n}=2^n\\ \\   \hspace{7pt}  a_{n+1}-2a_{n}=1\\  \end{cases}
 a_{n+1} を消すように上から下の式を引けば
 \underline{a_n=2^n-1}
と答が見つかります。

見て分かるように2つの解が存在するなら連立するのが一番楽です。
しかし、漸化式の式変形が1つできれば求め方はどれでも良いですよ。

言っている意味分かりますか?
重解の場合も同じように一般項は求まると言っているのです。
2解を持つ場合と重解の場合を分けると解法は増えるかもしれませんが、
分けて考えなくても良いということです。

例題9は重解の場合に変更しましたので、
⇒ 3項間漸化式(重解)の解き方(例題9)
確認しておくと良いですよ。

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