2項間型の漸化式から数列の一般項の求め方です。
漸化式を満たす一般項の求め方はパターンがいくつかありますが、数学Ⅲで利用するものを除けばそれほど多くありません。
ここでは基本となる解法を説明しますので、使えるようになるまで練習問題に取り組んで見ましょう。

漸化式とは

漸化式を簡単な言葉で定義すると、
 数列 \(\{a_n\}\) のいくつかの連続する項の関係式を、
 数列 \(\{a_n\}\) の漸化式という。
となります。
高校生は厳密な定義なんて必要ありません。

 【定義】(漸化式)

 数列 \(\{a_n\}\) のいくつかの連続する項の値から、
それらの次の項の値を定める関係式

 \( a_{n+1}=f(a_n)\hspace{7pt}\,\hspace{7pt}a_{n+2}=g(a_{n+1}\,,\,a_n)\)

などを数列 \(\{a_n\}\) の漸化式という。

これを簡単にいうと上の定義になります。

また、
この漸化式によって数列を定めることを漸化式による定義、または帰納的定義といいますが忘れてください。笑
今は漸化式から一般項を求める方法を覚えましょう。

2項間漸化式から数列の一般項を求める基本形

例題で説明していきますが解き方は機械的です。

例題1

 \( a_1=1\,,\,a_{n+1}=3a_n+2 \hspace{7pt}(n≧ 1)\)

で定まる数列 \( \{a_n\}\) の第 \(n\) 項を求めよ。

最も基本となる『漸化式』の1つです。

漸化式って何かというと、
数列 \( \{a_n\}\) の第 \( a_n\) 項とその前後の項との関係を方程式として表したものです。

漸化式にはいくつか種類があり、解き方にパターン(手法)があります。
例えば、この問題は2項間( \(a_n\) と \( a_{n+1}\) )の漸化式です。

一番の基本となる漸化式ですが、
この漸化式の解き方が他のすべての漸化式の解き方の基本になると思っていてください。

漸化式の解き方の基本方針は、
 『まとまりをつくり、等比数列の形を作る
です。

いろいろな形で出題されますのですべてのパターンをやるとなるとかなりの量になりますが基本的な方法は同じです。
基本的ところは抑えておきますので参考にして下さい。

漸化式を変形することで一般項を求めます。

 \( a_{n+1}=3a_n+2\)

という漸化式でまとまりを作るには、

 \( \underline{a_{n+1}-\alpha}=3\,(\underline{\,a_n-\alpha\,})\)

とすれば良いのですが、
この \( \alpha\) の探し方は、2つあります。

 \( a_{n+1}-\alpha=3\,(\,a_n-\alpha\,)\\ \\
\hspace{5pt} \Leftrightarrow \hspace{5pt} a_{n+1}-\alpha=3a_n-3\alpha\\ \\
\hspace{5pt} \Leftrightarrow \hspace{5pt} a_{n+1}=3a_n-2\alpha\)

と展開し、

 もとの漸化式 \( a_{n+1}=3a_n+2\) と比較して、

 \( -2\alpha=2\hspace{5pt} \Leftrightarrow \hspace{5pt}\alpha=-1\)

から

 \( a_{n+1}+1=3(a_n+1)\)

とする方法。

もう一つは、

 \( a_{n+1}=3a_n+2\)

から \( \color{red}{a_{n+1}=a_n=\alpha }\) とおいて

 \( \color{red}{\alpha}=3\color{red}{\alpha}+2 \)

から \(\alpha=-1 \) とする方法。

「 \( \color{red}{\alpha=3\alpha+2} \) 」を特性方程式といいますが、
言葉より今は方法を覚えて下さい。

変形ができたら漸化式を解きます。

 \( \underline{a_{n}+1}=b_{n}\)

とおくと、

 \( \underline{\underline{a_{n+1}+1}}=b_{n+1}\)

となります。
(添え字はともに変わります。)

すると、

 \( \underline{\underline{a_{n+1}+1}}=3(\underline{a_n+1})\)

は \( b_{n+1}=3b_n\) となりこの \(\{b_n\}\) は等比数列を表します。

ここまで来たとき、大切なのが数列 \(\{a_n\}\) については一旦おいといて、
数列 \( \{b_n\}\) 自体を求めることに専念することです。

あれもこれもは一度には解決しないので一旦数列 \( \{a_n\}\) のことは忘れます。

数列 \( \{b_n\}\) は、
 初項 \( b_1=a_1+1=1+1=2\)
 公比 3
の等比数列です。

よって

 \( b_n=2\cdot 3^{n-1}\)

となります。
ここで数列 \(\{a_n\}\) に戻します。

 \( a_n+1=b_n\)

とおいていたから

 \( a_n=b_n-1\\ \\
 \,=\underline{2\cdot 3^{n-1}-1}\)

漸化式や数列の一般項を求める方法の1つに、
 推測 →『数学的帰納法
というのもありますが、
いつでも推測できるとは限りませんので漸化式の基本的な解き方は確実にマスターしておいて下さい。

3項間については、センター試験で『出た!』と大騒ぎしたことがありますが、2項間の解き方で解けるものでした。
3項間の漸化式も解ける方が良いに決まっていますが、2項間の漸化式の解き方をマスターして、それからパターンを1つでも増やすようにしましょう。

他のパターンも説明しますが、この2項間の漸化式が基本になりますのでいくつか例題をあげておきます。
先ずはこのパターンを使えるようになっておきましょう。

次の問題にいく前にちょっとまとめます。

2項間漸化式の解き方まとめ

 \(p\,,\,q\) を定数として

 \( a_1=a\,,\,a_{n+1}=pa_n+q\hspace{7pt} (n=1\,,\,2\,,\,\cdots)\)

の漸化式で定まる数列の一般項は

 \( a_{n+1}-\alpha=p(\,a_n-\alpha)\)

と変形できて、

 \(\{a_n-\alpha\}\) が公比 \( p\) の等比数列となる
ということを利用して求めます。

 \( \alpha \) は特性方程式 \( \alpha=p\alpha+q\) を満たす値です。

階差数列のパターンは別に取り上げたいので \( p\neq 1\) としておきます。

 \( p=1\) とすると

 \( a_{n+1}=a_n+q\\ \\
\hspace{5pt} \Leftrightarrow \hspace{5pt} a_{n+1}-a_n=q\)

と階差数列になるので解法が少し変わるんですよ。

ところで、
2項間の漸化式は違う解き方もできます。

しかし、特性方程式からの変形パターンを先ずは覚えましょう。

2項間漸化式から一般項を求める練習問題

練習問題1

 \( a_1=5\,,\,a_{n+1}=3a_n-4\hspace{7pt} (n=1\,,\,2\,,\,3\,,\cdot)\)

で定められる数列 \( \{a_n\}\) の一般項を求めよ。

漸化式の変形からです。

 \(\alpha=3\alpha-4\) から \( \alpha =2\) なので

 \( a_{n+1}=3a_n-4\\ \\
\Leftrightarrow  a_{n+1}-2=3(a_n-2) ・・・①\)

よって \( \{a_n-2\}\) は
 初項が \( a_1-2=5-2=3\)
 公比が 3
の「等比数列」なので

 \( a_n-2=3\cdot 3^{n-1}=3^n\)

これから \( a_n=\underline{3^n+2}\)

慣れていないうちは \( a_n-2=b_n\) と一旦おいて処理して下さい。

①の変形過程は特性方程式を解いたとか、どうやって変形したかは書かなくて良いです。
「たまたま変形できた」としていきなり①の形に変形しても大丈夫です。
もちろん「たまたま変形できた」とも書かなくて良いですよ。

練習問題2

次の漸化式を満たす数列 \( \{a_n\}\) の一般項を求めよ。

 \( a_1=5 , 3a_{n+1}=2a_n+4\)

 \( 3a_{n+1}=2a_n+4\\ \\
\hspace{5pt} \Leftrightarrow \hspace{5pt} a_{n+1}=\displaystyle \frac{2}{3}a_n+\displaystyle \frac{4}{3}\)

とすれば今までと同じです。

 \( \alpha=\displaystyle \frac{2}{3}\alpha +\displaystyle \frac{4}{3}\\ \\
\hspace{5pt} \Leftrightarrow \hspace{5pt} 3\alpha=2\alpha+4\\ \\
\hspace{5pt} \Leftrightarrow \hspace{5pt} \alpha=4\)

これから

 \( 3a_{n+1}=2a_n+4\\ \\
\hspace{5pt} \Leftrightarrow \hspace{5pt} a_{n+1}=\displaystyle \frac{2}{3}a_n+\displaystyle \frac{4}{3}\\ \\
\hspace{5pt} \Leftrightarrow \hspace{5pt} a_{n+1}-4=\displaystyle \frac{2}{3}\left(a_n-4\right)\)

ここで数列 \( \{a_n-4\}\) は
 初項が \( a_1-4=5-4=1\)
 公比が \(\displaystyle \frac{2}{3}\)
の「等比数列」なので

 \( a_n-4=1\cdot \left(\displaystyle \frac{2}{3}\right)^{n-1}\)

よって \(\displaystyle a_n=\underline{\left(\frac{2}{3}\right)^{n-1}+4}\)

これくらいで少しは慣れてきたでしょう。

他の漸化式も少し手を加えるとこの形になるものが多いので、
 「変形して等比数列の形
このパターンだけは覚えておきましょう。

⇒ 等比数列の一般項と和の公式および問題の解き方ポイント

等比数列に必要な情報は「初項」と「公比」です。

⇒ 漸化式の一般項の求め方(階差数列、分数、累乗などのパターン)

漸化式のいろいろなパターンを集めておきました。
普通は誘導がつくので上の基本形を応用すれば良いのですが、知っておいても損はありませんので参考にして下さい。