空間の直交座標系で作られる三角形と面積の関係を見ておきます。
かなり応用は効きますがそれ程簡単に応用できないかもしれません。
なのでこんな関係式もあるんだ、程度で見ておくと良いでしょう。
ヘッセの公式からの派生で飛んできた問題ですので前回の応用とでも考えて下さい。
空間の直交座標系で作られる三角形と面積の関係問題
問題から出しておきます。
というか問題を解決するだけです。
問題
空間に直交座標軸をとり、原点を\(\,\mathrm{O}\,\)、
\(\,x\,\)軸、\(\,y\,\)軸、\(\,z\,\)軸上にそれぞれ\(\,\mathrm{A\,,\,B\,,\,C}\,\)をとる。
\(\,\mathrm{△ABC}\,\)、\(\,\mathrm{△AOB}\,\)、\(\,\mathrm{△BOC}\,\)、\(\,\mathrm{△COA}\,\)の面積をそれぞれ\(\,S\,\)、\(\,S_1\,\)、\(\,S_2\,\)、\(\,S_3\,\)とするとき、
\(\,S\,\)を\(\,S_1\,\)、\(\,S_2\,\)、\(\,S_3\,\)で表せ。
ベクトルを使うか、図解的な見方からヘッセの公式を使うかで分かれると思います。
なので二通りの説明をしておきます。
ベクトルを用いる方法
解答)
3点\(\,\mathrm{A\,,\,B\,,\,C}\,\)の座標を
\(\hspace{4pt}\mathrm{A}(a\,,\,0\,,\,0)\,,\,\mathrm{B}(0\,,\,b\,,\,0)\,,\,\mathrm{C}(0\,,\,0\,,\,c)\)
とすると、面積、体積を扱うだけなので\(\,a\,,\,b\,,\,c\,\)は正の数としてよい。
先ず、
\(\hspace{4pt}\displaystyle S_1=\frac{1}{2}ab\,,\,S_2=\frac{1}{2}bc\,,\,S_3=\frac{1}{2}ac ・・・①\)
一方、
\(\begin{eqnarray}
S&=&\frac{1}{2}\mathrm{AB}\cdot \mathrm{AC}\cdot \sin(∠\mathrm{BAC})\\
&=&\frac{1}{2}\sqrt{\mathrm{AB}^2\cdot \mathrm{AC}^2\cdot \sin^2(∠\mathrm{BAC})}\\
&=&\frac{1}{2}\sqrt{\mathrm{AB}^2\cdot \mathrm{AC}^2\{1-\cos^2(∠\mathrm{BAC})\}}\\
&=&\frac{1}{2}\sqrt{\mathrm{AB}^2\cdot \mathrm{AC}^2-\mathrm{AB}^2\cdot \mathrm{AC}^2\cos^2(∠\mathrm{BAC})\}}\\
&=&\frac{1}{2}\sqrt{|\overrightarrow{\mathrm{AB}}|^2\cdot |\overrightarrow{\mathrm{AC}}|^2-(\overrightarrow{\mathrm{AB}}\cdot\overrightarrow{\mathrm{AC}})^2}\\
&=&\frac{1}{2}\sqrt{(a^2+b^2)(a^2+c^2)-a^4}\\
&=&\frac{1}{2}\sqrt{a^2b^2+b^2c^2+c^2a^2}\\
&=&\sqrt{\frac{a^2b^2+b^2c^2+c^2a^2}{4}} ・・・②
\end{eqnarray}\)
\(\,①②\,\)より
\(\hspace{10pt}\displaystyle S=\sqrt{{S_1}^2+{S_2}^2+{S_3}^2}\)・・・(答)
ヘッセの公式を用いる方法
ヘッセの公式を使いますが体積を考えましょう。
立体\(\,\mathrm{OABC}\,\)の体積は変わらないので、
底面をどれにしても変わりません。
(高校入試でよく出るパターンです。)
解答)
3点\(\,\mathrm{A\,,\,B\,,\,C}\,\)の座標を
\(\hspace{4pt}\mathrm{A}(a\,,\,0\,,\,0)\,,\,\mathrm{B}(0\,,\,b\,,\,0)\,,\,\mathrm{C}(0\,,\,0\,,\,c)\)
とすると、面積、体積を扱うだけなので\(\,a\,,\,b\,,\,c\,\)は正の数としてよい。
先ず、
\(\hspace{4pt}\displaystyle S_1=\frac{1}{2}ab\,,\,S_2=\frac{1}{2}bc\,,\,S_3=\frac{1}{2}ac ・・・①\)
(ここまでの設定は前の解答と同じです。)
四面体\(\,\mathrm{OABC}\,\)の体積を\(\,V\,\)とすると、
\(\,\mathrm{△OAB}\,\)を底面、\(\,\mathrm{C}\,\)を頂点とする錐体とみて
\(\begin{eqnarray}
V&=&\frac{1}{3}\times \mathrm{△OAB}\times \mathrm{OC}\\
&=&\frac{1}{3}\times \frac{1}{2}\,ab\times c\\
&=&\frac{1}{6}\,abc
\end{eqnarray}\)
一方で\(\,\mathrm{△ABC}\,\)を底面とし、
高さを原点からの距離\(\,h\,\)として見ても体積は同じである。
3点\(\,\mathrm{A\,,\,B\,,\,C}\,\)を通る平面の方程式は切片形で
\(\hspace{10pt}\displaystyle \frac{x}{a}+\frac{y}{b}+\frac{z}{c}=1\)
原点からこの平面までの距離はヘッセの公式により
\(\begin{eqnarray}
h&=&\frac{1}{\sqrt{\frac{1}{a^2}+\frac{1}{b^2}+\frac{1}{c^2}}}\\
&=&\frac{1}{\sqrt{\frac{a^2b^2+b^2c^2+c^2a^2}{a^2b^2c^2}}}\\
&=&\frac{abc}{\sqrt{a^2b^2+b^2c^2+c^2a^2}}
\end{eqnarray}\)
となるので
\(\begin{eqnarray}
\frac{1}{3}Sh&=&V\\
&=&\frac{1}{6}abc
\end{eqnarray}\)
これから
\(\begin{eqnarray}
S&=&\frac{1}{2}\times \frac{abc}{h}\\
&=&\frac{1}{2}abc\times \frac{\sqrt{a^2b^2+b^2c^2+c^2a^2}}{abc}\\
&=&\frac{1}{2}\sqrt{a^2b^2+b^2c^2+c^2a^2}\\
&=&\sqrt{{S_1}^2+{S_2}^2+{S_3}^2}・・・(答)
\end{eqnarray}\)
当然ですが結果は同じですね。
結果を公式として覚えて欲しいのではなく、
ヘッセの公式の利用法と立体の見方を変えても体積は変わらない、
という事実を両方知っておいて欲しいという欲張りな問題です。
ヘッセの公式の求め方の確認もしておくと良いです。