2020年(令和2年)度に行われたセンター試験数学1Aの第4問整数問題の解説です。
循環小数と7進法の問題ですが、循環小数は良くある問題なので中学生でも解ける問題です。
7進法については扱う整数は7個しかないので整数問題らしく調べ尽くせば終わります。

センター試験2020年度数学\(\,\mathrm{ⅠA}\,\)の問題です。

⇒ 2020年度センター試験数学1Aの問題

第4問整数問題(循環小数と7進法)

(1)は循環小数を有理数(分数)の換える問題です。
(2)は7進法の問題ですが(1)が誘導してくれているので解法で悩むことはありません。

(1)循環小数を分数に換える基本問題

この問題は循環小数を分数に換えるときの方法を説明してくれています。

 \(\begin{eqnarray}
x&=&2.\dot{3}\dot{6} \\
&=&2.363636\cdots \\
\end{eqnarray}\)

循環している部分(循環節)が二桁で循環しています。
この場合は、循環節が消えるように\(\,100\,\)倍して引けば良いのです。

 \(\hspace{12pt}100x=236.\color{red}{363636}\cdots \\
\underline{-)  x=\hspace{10pt}2.\color{red}{363636}\cdots}\\
\hspace{17pt}99x=234\)

問題では、
 \(100\times x-x=236.\dot{3}\dot{6}-2.\dot{3}\dot{6}\)
と書かれていますのでわかりにくいですが、
循環する部分をある程度書き出すことで分かり易くなります。

後は約分するだけです。

 \(\begin{eqnarray}\displaystyle
99x&=&234\\
x&=&\frac{234}{99}\\
&=&\frac{\fbox{ 26 }}{\fbox{ 11 }}
\end{eqnarray}\)

(2)7進法で表された数の条件を満たす整数の個数

\(\,10\,\)進法で\(\,3.45\,\)と表された数は、
 \(\,3\,\)は\(\,10^0=1\,\)の位
 \(\,4\,\)は\(\,10^{-1}=0.1\,\)の位
 \(\,5\,\)は\(\,10^{-2}=0.01\,\)の位
を表していて、
 \(\displaystyle \,3.45=3\times 1+\frac{4}{10}+\frac{5}{10^2}\,\)
という意味になっています。

\(\,7\,\)進法では、\(\,3.45_{(7)}\,\)と表された数は、
 \(\,3\,\)は\(\,7^0=1\,\)の位
 \(\,4\,\)は\(\displaystyle \,7^{-1}=\frac{1}{7}\,\)の位
 \(\,5\,\)は\(\displaystyle 7^{-2}=\frac{1}{49}\,\)の位
を表していて、
 \(\displaystyle 3.45_{(7)}=3\times 1+\frac{4}{7}+ \frac{5}{49}\)
ということです。

このことから循環部分を消したい場合\(\,10\,\)進法と同じように、
循環している桁数分ずらして引きます。
ただし、\(\,10^2\,\)倍ではなくて、\(\,7^2\,\)倍した数を引くことになります。

 \(\begin{eqnarray}\displaystyle
y&=&2.\dot{a}\dot{b}_{(7)}\\
&=&2+ \color{magenta}{\frac{a}{7}}+ \color{magenta}{\frac{b}{7^2}}+\color{magenta}{\frac{a}{7^3}}+\color{magenta}{\frac{b}{7^4}}+\color{magenta}{\cdots}\\
\end{eqnarray}\)

両辺を\(\,7^2=49\,\)倍すると
 \(\displaystyle 49y=98+7a+b+\color{magenta}{\frac{a}{7}}+\color{magenta}{\frac{b}{7^2}}+\color{magenta}{\cdots}\)

この\(\,49y\,\)と\(\,y\,\)の2つの式の引き算が問題にある

 \(49\times y-y=2ab.\dot{a}\dot{b}_{(7)}-2.\dot{a}\dot{b}_{(7)}\)

と同じことです。

これは、(1)で行った引き算ですが、
\(\,7\,\)進法そのままでも引き算できますので分数にする必要はありません。

右辺を計算すると具体的に書き出した
 \(\hspace{10pt}\displaystyle \color{magenta}{\frac{a}{7}}+\color{magenta}{\frac{b}{7^2}}+\color{magenta}{\cdots}\)
の部分が消えるので
 \(\begin{eqnarray}\displaystyle
48y&=&96+7a+b\\
y&=&\frac{\fbox{ 96 }+7\times a+b}{\fbox{ 48 }}\\
\end{eqnarray}\)

7進法で使える数字は0から6までの7つだけ

\(\,ⅰ\,\))

 \(\displaystyle y=\frac{96+7\times a+b}{48}\)

\(\,y\,\)の分子が奇数で分母が\(\,4\,\)となるのは、
分母が\(\,48\,\)なので分子が\(\,\color{red}{12\times 奇数}\,\)となるときです。

 \(\displaystyle 96+7a+b=12\times (奇数)\)
であれば分母分子約分されて
 \(\begin{eqnarray}\displaystyle
y&=&\frac{\color{red}{12}\times (奇数)}{\color{red}{48}}\\
&=&\frac{奇数}{4}
\end{eqnarray}\)
となります。

\(\,y\,\)の分子を\(\,12\,\)で割ると
 \(\hspace{10pt}\displaystyle 8+\frac{7a+b}{12}\)
なので、\(\,8\,\)は偶数だから
 \(\hspace{10pt}\displaystyle\frac{7a+b}{12}\)
が奇数(当然\(\,12\,\)の倍数)であればいいということです。
 
 \(0\,≦\,a\,≦\,6\,,\,0\,≦\,b\,≦\,6\)
であることから
 \(7a+b=12\times (2k-1)\)
を満たす組を探します。

\(\,k=1\,\)のとき、つまり\(\,7a+b=12\,\)を満たすのは
 \(\,(\,a\,,\,b\,)=(\,1\,,\,5\,)\,\)
のときだけで
 \(\displaystyle y=\frac{8+1}{4}=\frac{\fbox{ 9 }}{\fbox{ 4 }}\)

\(\,k=2\,\)のとき、つまり\(\,7a+b=\fbox{ 36 }\,\)を満たすのは
 \(\,(\,a\,,\,b\,)=(\,\fbox{ 5 }\,,\,\fbox{ 1 }\,)\,\)
のときだけで
 \(\displaystyle y=\frac{8+3}{4}=\frac{\fbox{ 11 }}{\fbox{ 4 }}\)

\(\,k=3\,\)のとき、つまり\(\,7a+b=60\,\)を満たすものはありません。
(\(0\,≦\,a\,≦\,6\,,\,0\,≦\,b\,≦\,6\)だから)
\(\,k≧4\,\)のときも同様です。

オカ \(\,\underline{ 96 }\,\) キク \(\,\underline{ 48 }\,\)
ケ \(\,\underline{ 9 }\,\) コサ \(\,\underline{ 11 }\,\)
シス \(\,\underline{ 36 }\,\)
セ \(\,\underline{ 5 }\,\) ソ \(\,\underline{ 1 }\,\)

(\(\,ⅱ\,\))
 「\(\,y-2\,\)は分子が\(\,1\,\)で分母が\(\,2\,\)以上の整数」

\(\,y-2\,\)というのに戸惑うかもしれませんが、
 \(\begin{eqnarray}\displaystyle
y&=&\frac{96+7a+b}{48}\\
&=&2+\frac{7a+b}{48}
\end{eqnarray}\)
なので
 \(\displaystyle y-2=\frac{7a+b}{48}\)
です。

つまり、
 \(\displaystyle\frac{7a+b}{48}\)
の分子が\(\,1\,\)で分母が\(\,2\,\)以上の整数になれば良いということで、
 「\(\,7a+b\,\)が\(\,48\,\)の約数で\(\,48\,\)ではない。」
(分子が\(\,48\,\)のときは約分されて\(\,1\,\)になるからです。)
\(\,a,b\,\)の組を探します。

\(\,48\,\)の約数は
 \(\,1,2,3,4,6,8,12,24,48\,\)
ですが、\(\,48\,\)は除外します。

 \(\,7a+b=1\,\)のとき\(\,(\,a\,,\,b\,)=(\,0\,,\,1\,)\,\)
 \(\,7a+b=2\,\)のとき\(\,(\,a\,,\,b\,)=(\,0\,,\,2\,)\,\) 
 \(\,7a+b=3\,\)のとき\(\,(\,a\,,\,b\,)=(\,0\,,\,3\,)\,\)
 \(\,7a+b=4\,\)のとき\(\,(\,a\,,\,b\,)=(\,0\,,\,4\,)\,\)
 \(\,7a+b=6\,\)のとき\(\,(\,a\,,\,b\,)=(\,0\,,\,6\,)\,\)
 \(\,7a+b=8\,\)のとき\(\,(\,a\,,\,b\,)=(\,\color{red}{1}\,,\,\color{red}{1}\,)\,\)
 \(\,7a+b=12\,\)のとき\(\,(\,a\,,\,b\,)=(\,1\,,\,5\,)\,\)
 \(\,7a+b=24\,\)のとき\(\,(\,a\,,\,b\,)=(\,\color{red}{3}\,,\,\color{red}{3}\,)\,\)

\(\,a,b\,\)は異なる整数という条件があるので\(\,6\,\)組あります。

よって、\(\,y\,\)の個数は\(\fbox{ 6 }\)個。

以上、解くのは簡単、説明するのはめんどくさ、って感じですが点は取りやすい問題です。笑

数式処理をうまくやればもっとスマートに解けるでしょうが、整数問題で整数に制限があるなら調べ尽くす方が確実ですよ。
試験時間には制限があるのですべてとは言いませんが、規則性を見つける程度は書き出す方が良いです。

⇒ 2020年(令和2年)度センター試験数学1A第5問の解説

第\(\,5\,\)問は選択問題の1つ平面幾何です。
平面幾何で使う定理ってそれほど多くはありません。

⇒ センター試験と共通テスト数学1Aの過去問解説

毎年ですけど、ほとんどが基本問題で構成されていますよ。