3項間漸化式の特性方程式が重解を持つときの一般項の求め方です。
特性方程式の解が2つある場合と分けて考えても良いですが、同じ解き方ができます。
解が2つあるパターンの方が楽なとき方があるというだけですので、2項間漸化式の解き方をしっかりやっている場合は心配しなくても大丈夫です。

3項間漸化式の特性方程式

漸化式 \( a_{n+2}=pa_{n+1}+qa_n\) の特性方程式
 \(t^2=pt+q\) の2つの解を \( \color{red}{\alpha }\hspace{7pt},\hspace{7pt}\color{red}{\beta}\) とすると、
連立方程式

 \( \begin{cases} \hspace{7pt} a_{n+2}-\color{red}{\alpha }a_{n+1}=\color{red}{\beta }(a_{n+1}-\color{red}{\alpha }a_n)\\ \\
\hspace{7pt} a_{n+2}-\color{red}{\beta }a_{n+1}=\color{red}{\alpha }(a_{n+1}-\color{red}{\beta }a_n) \\
\end{cases}\)

を解くと「楽」といういうのは見たことがあるかもしれません。

でも、連立しなくても解けるというのも知ってますか?
だったら3項間漸化式を1つ変形できれば大丈夫です。

特性方程式の解が重解の場合も同じです。

例題9

 \(a_1=0 , a_2=2,\)
 \( a_{n+2}-4a_{n+1}+4a_n=0 (n=1\,,\,2\,,\,\cdots\,)\)
とするとき、この数列 \( \{a_n\}\) の一般項を求めよ。

特性方程式は

 t^2-4t+4=0\hspace{5pt} \Leftrightarrow \hspace{5pt}(t-2)^2=0

となるのでこの解は \(t=\color{red}{2}\) の重解だけで、2つありません。

でも変形はできます。

 \( a_{n+2}-4a_{n+1}+4a_n=0\\ \\
\Leftrightarrow   \underline{a_{n+2}-\color{red}{2}a_{n+1}=\color{red}{2}(a_{n+1}-\color{red}{2}a_n)} ・・・①\)

「え?連立できない。」
と心配しなくて大丈夫です。

漸化式を連立する必要はない

2項間漸化式の解き方いろいろやってきた中で知っているでしょう。
「置きかえ」すれば問題ありません。

 b_n=a_{n+1}-2a_n

とおくと

 b_{n+1}=a_{n+2}-2a_{n+1}

なのでもとの漸化式①は

 \underline{b_{n+1}=2b_n}

等比数列であることが分かります。

初心に返りましょう。
置きかえしたときはその数列に専念するんですよ。
すべてを切り離すということはできませんが、
 \( a_n\) と \( b_n\) の両方は考えず一度 \( b_n\) だけを考えます。

 \( b_{n+1}=2b_n\) は等比数列で
初項は \( b_1=a_2-a_1=2\) なので

 b_n=(b_1)\cdot 2^{n-1}=2\cdot 2^{n-1}=2^n

ここで \( \{a_n\}\) に戻ります。

 b_n=a_{n+1}-2a_n\\ \\  \hspace{5pt} \Leftrightarrow \hspace{5pt} 2^n=a_{n+1}-2a_n\\ \\  \hspace{5pt} \Leftrightarrow \hspace{5pt} a_{n+1}-2a_n=2^n

これって見たことありません?
これです。
⇒ 定数部分が指数関数になっている漸化式のタイプ
例題3-②と同じですよね。

ということで、トットと数列の一般項を求めましょう。

 a_{n+1}-2a_n=2^n

両辺を \( 2^{n+1}\) で割ります。

 a_{n+1}-2a_n=2^n\\ \\  \hspace{5pt} \Leftrightarrow \hspace{5pt} \dfrac{a_{n+1}}{2^{n+1}}-\dfrac{2a_n}{2^{n+1}}=\dfrac{2^n}{2^{n+1}}\\ \\  \hspace{5pt} \Leftrightarrow \hspace{5pt} \dfrac{a_{n+1}}{2^{n+1}}-\dfrac{a_n}{2^n}=\dfrac{1}{2}

ここで \(\displaystyle \frac{a_n}{2^n}=c_n\) とおくと

 \dfrac{a_{n+1}}{2^{n+1}}-\dfrac{a_n}{2^n}=\dfrac{1}{2}\\ \\  \hspace{5pt} \Leftrightarrow \hspace{5pt} c_{n+1}-c_n=\dfrac{1}{2}

これは数列 \(\{c_n\}\) の階差が定数、
つまり、等差数列であることを意味しています。

このことから \(a_1=0\) なので

 c_n=\dfrac{a_1}{2}+(n-1)\dfrac{1}{2}\\ \\  =\dfrac{1}{2}(n-1)

よって

 \dfrac{a_n}{2^n}=c_n\\ \\  \hspace{5pt} \Leftrightarrow \hspace{5pt} a_n=2^n\cdot c_n\\ \\  \hspace{5pt} \Leftrightarrow \hspace{5pt} a_n=2^n\cdot \dfrac{1}{2}(n-1)=\underline{2^{n-1}(n-1)}

連立線型漸化式の入り口

ところで、
「ズラして、引く」って漸化式では良く使います。
では3項間ではどうなるのか?
やってみましょう。

 \( a_{n+2}=4a_{n+1}-4a_n\)

これをずらすと
 
 \( a_{n+1}=4a_n-4a_{n-1}\)

でも引きはしません。
(引いても良いですけど、、、使えないでしょう?)

ここで \( a_{\color{red}{n-1}}=b_n\) とすると

 \begin{cases}  \hspace{7pt} a_{n+1}=4a_n-4b_n \\ \\  \hspace{7pt} b_{n+1}=a_n \\  \end{cases}

という連立線型漸化式というものが作れるのですが、
後の例題に控えているのでここではまだ説明はしません。
⇒ 漸化式が連立されている(連立線型漸化式)一般項の求め方(例題12)

先ずは3項間漸化式が2解を持つタイプが解けるようになりましょう。

⇒ 3項間の漸化式の解き方(基本形例題8解説)

特性方程式が解を(異なる)2つもつ普通の3項間漸化式です。