3項間漸化式の特性方程式が重解を持つパターン(例題9)

3項間漸化式の特性方程式が重解を持つときの一般項の求め方です。
特性方程式の解が2つある場合と分けて考えても良いですが、同じ解き方ができます。
解が2つあるパターンの方が楽なとき方があるというだけですので、2項間漸化式の解き方をしっかりやっている場合は心配しなくても大丈夫です。

漸化式 a_{n+2}=pa_{n+1}+qa_n の特性方程式
 t^2=pt+q の2つの解を \alpha \hspace{7pt},\hspace{7pt}\beta とすると、
連立方程式
 \begin{cases} \hspace{7pt} a_{n+2}-\alpha a_{n+1}=\beta (a_{n+1}-\alpha a_n)\\ \\ \hspace{7pt} a_{n+2}-\beta a_{n+1}=\alpha (a_{n+1}-\beta a_n) \\ \end{cases}
を解くと「楽」という話は知ってます?

でも、連立しなくても解けるというのも知ってますよね。
だったら3項間漸化式を1つ変形できれば大丈夫です。

特性方程式の解が重解の場合も同じです。

例題9

 a_1=0\hspace{7pt},\hspace{7pt}a_2=2\hspace{7pt},
 a_{n+2}-4a_{n+1}+4a_n=0\hspace{7pt}(n=1\,,\,2\,,\,\cdots\,)
とするとき、この数列 \{a_n\} の一般項を求めよ。

特性方程式は
 t^2-4t+4=0\\ \\  \hspace{5pt} \Leftrightarrow \hspace{5pt}(t-2)^2=0
となるのでこの解は t=2 の重解だけで、2つありません。

でも変形はできます。

 a_{n+2}-4a_{n+1}+4a_n=0\\ \\  \hspace{5pt} \Leftrightarrow \hspace{5pt} \underline{a_{n+2}-2a_{n+1}=2(a_{n+1}-2a_n)}

「え?連立できない。」
と心配しなくて大丈夫です。
2項間漸化式の解き方いろいろやってきた中で知っているでしょう。
「置きかえ」すれば問題ありません。

 b_n=a_{n+1}-2a_n
とおくと
 b_{n+1}=a_{n+2}-2a_{n+1}
なのでもとの漸化式は
 \underline{b_{n+1}=2b_n}
と等比数列であることが分かります。

初心に返りましょう。
置きかえしたときはその数列に専念するんですよ。
すべてを切り離すということはできませんが、
 a_n と b_n の両方は考えず一度 b_n だけを考えます。

 b_{n+1}=2b_n は等比数列で
初項は b_1=a_2-a_1=2 なので
 b_n=(b_1)\cdot 2^{n-1}=2\cdot 2^{n-1}=2^n

ここで \{a_n\} に戻ります。

 b_n=a_{n+1}-2a_n\\ \\  \hspace{5pt} \Leftrightarrow \hspace{5pt} 2^n=a_{n+1}-2a_n\\ \\  \hspace{5pt} \Leftrightarrow \hspace{5pt} a_{n+1}-2a_n=2^n

これって見たことありません?
そうです。
⇒ 定数部分が指数関数になっている漸化式のタイプ
例題3-②と同じですよね。

ということで、トットと数列の一般項を求めましょう。

 a_{n+1}-2a_n=2^n
両辺を 2^{n+1} で割ります。
 a_{n+1}-2a_n=2^n\\ \\  \hspace{5pt} \Leftrightarrow \hspace{5pt} \dfrac{a_{n+1}}{2^{n+1}}-\dfrac{2a_n}{2^{n+1}}=\dfrac{2^n}{2^{n+1}}\\ \\  \hspace{5pt} \Leftrightarrow \hspace{5pt} \dfrac{a_{n+1}}{2^{n+1}}-\dfrac{a_n}{2^n}=\dfrac{1}{2}

ここで
 \dfrac{a_n}{2^n}=c_n
とおくと
 \dfrac{a_{n+1}}{2^{n+1}}-\dfrac{a_n}{2^n}=\dfrac{1}{2}\\ \\  \hspace{5pt} \Leftrightarrow \hspace{5pt} c_{n+1}-c_n=\dfrac{1}{2}
これは数列 \{c_n\} の階差が定数、
つまり、等差数列であることを意味しています。

このことから
 c_n=\dfrac{a_1}{2}+(n-1)\dfrac{1}{2}\\ \\  =\dfrac{1}{2}(n-1)
よって
 \dfrac{a_n}{2^n}=c_n\\ \\  \hspace{5pt} \Leftrightarrow \hspace{5pt} a_n=2^n\cdot c_n\\ \\  \hspace{5pt} \Leftrightarrow \hspace{5pt} a_n=2^n\cdot \dfrac{1}{2}(n-1)=\underline{2^{n-1}(n-1)}

ところで、
「ズラして、引く」って漸化式では良く使います。
では3項間ではどうなるのか?
やってみましょう。

 a_{n+2}=4a_{n+1}-4a_n
これをずらすと
 a_{n+1}=4a_n-4a_{n-1}
でも引きはしません。
(引いても良いですけど、、、使えないでしょう?)

ここで a_{n-1}=b_n とすると
 \begin{cases}  \hspace{7pt} a_{n+1}=4a_n-4b_n \\ \\  \hspace{7pt} b_{n+1}=a_n \\  \end{cases}
という連立線型漸化式というものが作れるのですが、
後の例題に控えているのでここではまだ説明はしません。

先ずは3項間漸化式が2解を持つタイプが解けるようになりましょう。

⇒ 3項間の漸化式の解き方(基本形例題8解説)

特性方程式が解を(異なる)2つもつ普通の3項間漸化式です。

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