三角比の問題で三角形の角度が2つ与えられているのに正弦定理か余弦定理を使うと考えても、どちらも使えそうにないときがあります。
使い分けをする場合は問題の条件によってある程度決めておくこともできます。
しかし、どちらも使えそうもない、と悩むこともあります。そのようなときの解決策は1つです。

正弦定理と余弦定理と面積

問題を読み始めればだいたい分かりますが、
三角比の問題とわかったとき、使う定理や公式はだいたい3つです。

3つだけということではありません。
他にも使うことはありますが、基本となる定理は次の3つです。

正弦定理

外接円の半径を \(R\) とすると
 \(\displaystyle \color{red}{\frac{a}{\sin A}=\frac{b}{\sin B}=\frac{c}{\sin C}=2R}\)

余弦定理

第1もありますが、第2余弦定理だけで良いです。

 \(\color{red}{a^2=b^2+c^2-2\,b\,c\,\cos A}\)
 \(\color{red}{b^2=c^2+a^2-2\,c\,a\,\cos B}\)
 \(\color{red}{c^2=a^2+b^2-2\,a\,b\,\cos C}\)
または
 \(\displaystyle \cos A=\frac{b^2+c^2-a^2}{2\,b\,c}\)

 \(\displaystyle \cos B=\frac{c^2+a^2-b^2}{2\,b\,c}\)

 \(\displaystyle \cos C=\frac{a^2+b^2-c^2}{2\,b\,c}\)

これらは上の定理を変形したものですが覚えておくとはやいです。

面積の公式

 \(\displaystyle \color{red}{S=\frac{1}{2}bc \sin A}\)

 \(\displaystyle \color{red}{S=\frac{1}{2}ca \sin B}\)

 \(\displaystyle \color{red}{S=\frac{1}{2}ab \sin C}\)

この3つの公式、
 正弦定理、余弦定理、面積の公式
は使うものと考えて問題に取り組んで良い程です。

正弦定理を使うか余弦定理を使うか迷う問題

問題に角度が2つ与えられているので正弦定理か余弦定理だと考えを進めます。
角度が2つなら、普通は正弦定理ですね。
しかし、それがわかっていてもひっかかる問題があります。

例題

三角形ABCにおいて、
 \(\angle B=60^{\circ} , \angle C=75^{\circ} , BC=12\) のとき、
 \(AC\) の長さを求めよ。
また、三角形ABCの外接円の半径を求めよ。

正弦定理と余弦定理の使い分けについては、
⇒ 正弦定理と余弦定理を使い分ける問題の見分け方
でも説明していますが、おおよそ予想することは可能です。

しかし、この問題はそのままではどちらも使えません。
問題を良く見るとすぐに気がつくのですが、何かが足りていません。

「外接円」と書いてあるので正弦定理を使うにも、与えられた角度では \(\sin 75^{\circ}\) の値もわからないし、対辺もわかっていません。

余弦定理を使うにしても辺の長さが1つでは使えそうもありません。

何かが足りない。

解決する方法

何が足りていないかというと、「図」です。
図は必ず書いて考えるようにしましょう。

それでも問題になれていないと気がつきにくいのですが、
中学生でもわかる「三角形の内角の和」が使えていないことがあります。

この原因は、わかることは図に書き足す、という作業が足りていないだけです。
「三角形の内角の和が180°」になることを高校生なら知っているでしょう?

この問題は「わからない」ではなくて「気がついていない」だけなのです。

 \(\angle A=180^{\circ}-(60^{\circ}+75^{\circ})=\color{red}{45^{\circ}}\)

三角形で、2つの内角が与えられたらもう一つの内角もわかります。
落ち着けば、気がつけば当たり前、なのですが結構ひっかかりますね。

ここまでくれば正弦定理が使えるとすぐにわかります。

 \(\displaystyle \frac{12}{\sin 45^{\circ}}=\frac{x}{\sin 60^{\circ}}\\ \\
\Leftrightarrow 12\times \sin 60^{\circ}=\sin 45^{\circ}\times x\\ \\
\displaystyle \Leftrightarrow 12\times \frac{\sqrt{3}}{2}=\frac{\sqrt{2}}{2}\times x\)
これから
 \(x=6\sqrt{6}  ∴ AC=\color{red}{6\sqrt{6}}\)

外接円の半径は
 \(\displaystyle \frac{12}{\sin 45^{\circ}}=2R\) または \(\displaystyle \frac{6\sqrt{6}}{\sin 60^{\circ}}=2R\)
から
 \(R=\color{red}{6\sqrt{2}}\) と求まります。

三角形の内角の和に気がつかなければ、アウト!です。
もったいないでしょう?

できるだけ図に情報を書き込みましょう。

⇒ 正弦定理と余弦定理を使い分ける問題の見分け方

引っかけではない定理の使い分けは有効ですよ。